看護職員

地域包括ケア病床

仕事内容

全床(60床)が『地域包括ケア病棟』である柴田病院は、地域包括ケア病院と言っても過言ではありません。地域包括ケアを行う私たちが行っている主な仕事内容は、次の通りです。
・入院の受け入れ
・退院の支援

入院の受け入れ

私たちは、次のような患者さんの入院受け入れのサポートをしています。
・急性期病棟での治療が終了したものの、退院後の在宅での生活に不安のある患者さん
・在宅または施設での療養中、症状が悪化し緊急入院となった患者さん
・レスパイト入院を希望する患者さん
受け入れが特に多い患者さんは、急性期治療が終了した直後の患者さんです。急性期病院での入院・治療が終了し、たとえ退院できる状態となっても、退院後の生活が不安な患者さんは少なくありません。患者さんが安心して在宅復帰ができるよう、私たちは手厚い支援を行っています。
また、近年では*レスパイト入院を希望する患者さんも増加しています。高齢化が進む近年、在宅療養中の方を介護するご家族が「介護疲れ」に陥り、十分な介護ができなくなるケースもあります。
(※レスパイトとは、“一時休止”・“休息”という意味です。レスパイト入院とは、介護者の日々の疲れ、冠婚葬祭、旅行などの事情により、一時的に在宅介護が困難となる場合の一時的な入院です。)

退院の支援

急性期治療が終了し、退院に向けての話が出てくるようになる段階において、多くの患者さんは「在宅での療養生活」のイメージができていません。在宅療養中はどのように過ごすべきか、またどのようなサービスを利用するかが定まっていない患者さんも多くおられます。私たちは、退院が決まったこのような患者さんに向けて、退院後の生活をイメージしたうえで安心して退院できるよう支援を行うことも重要な仕事の一つです。
例えば、急性期病棟での入院が長く退院後の生活のイメージができないという患者さんに対しては外泊を提案する、経管栄養など日常生活におけるケアが必要な患者さんに対しては専用のマニュアルを作成するなど、患者さんお一人おひとりに適したサポートをしています。

家族の支援

退院後の生活において、不安を抱えているのは患者さんだけではありません。退院後の患者さんを支えるご家族もまた、「在宅療養中、自分は適切な介護を行えるのか」など何らかの不安を抱えていることがほとんどです。
患者さんが安心して自宅で過ごすためには、ご家族の協力が欠かせません。私たちは、患者さん・ご家族がともに安心して過ごすために、ご家族に向けた支援も行っています。
また、患者さんの退院後ご家族がメインで在宅療養を行うケースでは、介護疲れになることを防ぐためにも、レスパイト入院やその他の介護サービス利用を提案することもあります。

患者・家族・各種専門職間の調整

患者さんが、より良い状態で退院でき、かつ安心してご自宅や有料老人ホーム等の施設で療養生活を送るためには、医師・看護師だけでなく、リハビリ職、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士等のあらゆる専門職からの支援が必要です。
私たちは、上記のようなさまざまな専門職の間に立ち、患者さんやそのご家族の情報を共有することも重要な仕事です。いわゆる、各種専門職間の連携・調整役といえます。また、状況に応じて、病棟内のスタッフだけでなく、退院後に患者さんに携わる訪問看護師やケアマネジャーとも連携を図っています。

病棟看護師の一日のスケジュール例

地域包括ケア病床

地域包括ケア病棟で働く魅力

地域包括ケア病棟は、急性期病院や慢性期病院とは異なった特徴があります。病院ごとの役割の違いが、看護業務の内容にもつながってきます。ここからは、地域包括ケア病棟で働く魅力を紹介します。「自分は地域包括ケア病棟で働くことに向いているのかどうか」の参考にしていただければ幸いです。

【魅力その1】やりがいをもって働ける

地域包括ケア病棟では、患者さんの病状をよりよい改善に導くだけでなく、今後の在宅復帰に向けたケアを多職種の専門職と協力しながら提供します。
比較的短い入院生活を終え、最後に患者さんから「安心して自宅に帰れる」「ありがとう」といった感謝の言葉を頂戴することは、地域包括ケア病棟で働く最も大きなやりがいといえます。
また各種専門職と連携しながら患者さんのケアに携わることで、患者さんからいただく日々のやりがいだけでなく、働く仲間からもやる気を分け与えてもらえ、モチベーションの向上・継続につながっています。

【魅力その2】高い需要があり、社会的意義がある

山口市は2005年に、日本全体では、2007年に65歳以上の高齢者が21%以上を占める超高齢社会に突入しました。(統計局:22年9月時点)今後も高齢者の割合が増加すると見込まれるなか、現状の高齢者施設の数では、身体が不自由な方の需要を満たせない、と言われています。また、多くの方が自宅での療養や介護を希望しています。そういった社会背景の中、地域包括ケア病棟は不足する高齢者施設の需要を補いつつ、在宅介護を実現するための具体策として、社会的に非常に高いニーズがある病棟です。
私たち看護師は、患者さんとそのご家族の支援を行う地域包括ケア病棟で中心的な役割を担います。そのため、地域包括ケア病棟で働く看護師の需要も高まっており、非常に将来性の高い病棟であることは間違いありません。

【魅力その3】セカンドキャリアの転職先として最適

地域包括ケア病棟では、最先端技術を用いた高度な先進医療は行っておりません。そのため、高度急性期病棟のような命の危機に直面している患者さんの救命救急対応などが常態化しているわけではないため、地域包括ケア病棟では身につけにくい看護スキルがあることも事実です。
しかし、地域の皆さまにとって、最も需要がある病棟でもあることから、幅広い看護を提供しています。急性期病棟で働いたご経験のある看護師さんはもちろん、回復期リハビリテーション病棟や介護施設でのご経験のある方も今まで培ってきたキャリアを発揮し、活躍のしどころが必ずある病棟です。柴田病院は、充実したセカンドキャリアを求める看護師さんの転職先として、最適な働きやすい職場環境づくりに努めています。

【魅力その4】安心して働ける体制が整っている

柴田病院では、プリセプター制度を導入しており、安心のサポート体制を整えています。今までのご経験を活かしながらも、柴田病院ルールはどうなのだろう?といった不安な想いや素朴な疑問にも対応できるようマニュアルやフローチャートをはじめとする見える化活動にも力を入れ、柴田病院の看護業務のルールを明確にしています。
また、マニュアルに則った業務の実施や業務の改善提案を行ったことに対する表彰や評価制度も充実しており、柴田病院の理念に基づく望ましい看護業務の実践が、昇給や賞与に反映される働きがいのある体制が整っています。

【魅力その5】仕事と生活のバランスがとれる!嬉しい!勤務体制

柴田病院は、基本的に定時で帰れる職場です、自己啓発と称した暗黙の強制的な居残り研修などもありません。また、有給休暇も取りやすい職場環境です。
職場では、お互い様精神が浸透しており、子供の急病による急な休みや遅刻に対しても皆でサポートする環境が整っています。そういった職場環境ですので、仕事と生活のバランスがとれた状態で、定着率は高く、長年、継続して働いてくれているスタッフが多くいます。

地域包括ケア病床

地域包括ケア病棟の心強さと制度上のルール

地域包括ケア病棟は、急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟とは異なった特徴があります。そのため入院する患者さんにとっても、ほかの病院に入院する場合とは異なることがあります。代表的な心強さと制度上のルールは次のとおりです。

【心強さ その1】在宅復帰への準備ができる

自宅での生活へ復帰するにあたり、専門的な知識と技術による適切なフォローを受けながら準備できることが、地域包括ケア病棟に入院する最大の心強さといえます。
基本的に、大病を患っての入院や大怪我による入院をした場合でも、急性期をすぎれば早めに退院しなければなりません。しかし、退院後に自分の力で日常生活を送る自信がない方や家族の負担が重いと考えると、もう少し病院で療養したいと希望される方は少なくありません。何より、不安な気持ちで一杯の状況であることは、想像に難くありません。
地域包括ケア病棟で、医療と看護ケアそして、リハビリを受ければ、自宅や介護施設に帰って療養生活を送るための下地を作れます。最長60日と入院日数の上限はあるものの、治療後すぐに退院するよりも安心して過ごせます。

【心強さ その2】在宅から一時的な入院ができる

持病をもっている方にとって、病状が悪化する兆候が見えた段階で入院できることも、地域包括ケア病棟を利用する心強さといえます。
高度急性期病棟、急性期病棟 等の病棟の機能によって、病状の変化が顕著でなければ受け入れてもらえないことも珍しくありません。しかし病状が悪化してからの入院は、つらく不安な時間が長く続くため、治療に必要な時間が増え入院期間が長くなることもあります。
病状が悪化する前の早い段階で対処してもらえれば、早期の回復も期待できます。また、病状が悪化して急性期の病棟に入院するより入院費用を抑えやすい点も、地域包括ケア病棟の使い勝手が良いところです。「家族が介護疲れを起こす前にレスパイト入院を選び、休養を取ってもらう」といった地域包括ケア病棟ならではの小回りのきく点も心強さのひとつです。

【制度その1】急性期病棟とは異なった治療内容になりうる

病状が悪化しそうな患者さんを受け入れるとはいえ、地域包括ケア病棟はあくまでも患者さんの在宅復帰をサポートする病棟です。そのため、最先端技術を用いた高度な先進医療は行っておりませんので、高度な専門的な治療や処置は受けられません。
高度な医療や看護ケアを受けたい場合は転院する必要があります。また、担当医の考え方や治療方針が異なるケースもあり得ます。もちろん重要な部分は引継ぎが行われますが、治療内容が変更される可能性はあります。

【制度その2】60日間の入院期間制限がある

地域包括ケア病棟は、患者さんの在宅復帰を前提とした病棟です。そのため利用可能な期間には制限があり、原則として60日間を超えて入院し続けることはできません。
制限期間内に在宅生活への復帰が可能なレベルに身体の機能が回復できれば問題ありませんが、病状によっては自宅療養に移った後の負担が重くなります。60日という制度上の期間の制限があるため、入院期間中に次の退院先を検討する必要があります。

地域包括ケア病棟で働くために求められること

私たちは、患者さんに対する適切なリハビリやケアを提供するほか、「患者さんが安心して在宅復帰・施設復帰のできる状態」を目指しています。また、地域包括ケア病棟では、レスパイト入院による患者さんもいることから、介護領域に携わることもあります。

そのため地域包括ケア病棟で働く看護師には、一般的な看護技術に加え、幅広い看護知識を習得していく必要があります。さらに、患者さんが日々在宅復帰に向けたリハビリを前向きな気持ちで積極的に行い、安心して退院してもらうためには、患者さんやそのご家族からいつでも頼ってもらえる存在とならなければなりません。信頼関係を築き上げるためにも、地域包括ケア病棟で働く看護師は、コミュニケーション能力を養っていく必要があります。

また、地域包括ケア病棟に入院する患者さんの特性はさまざまです。一人ひとりに適したサポートを行うためにも、臨機応変に対応できる柔軟性も必要となります。

なかには、退院間近の患者さんでも容態が急変する可能性もあります。このような急変時にも、冷静に対応できる看護スキルは地域包括ケア病棟で働く看護師さん求められる重要なスキルといえます。ここまでの内容を踏まえ、地域包括ケア病棟で働くことに向いている看護師さんの特徴は次の通りです。特徴のいずれか1つでも当てはまっている方は、ぜひ全床地域包括ケア病棟の柴田病院で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。

地域包括ケア病棟で働くことに向いている看護師

・回復期の看護ケアに携わりたい看護師さん

・コミュニケーションを大切にしている看護師さん

・急性期病棟での勤務経験がある看護師さん

・介護に関する知識や技術、経験をもっておる看護師さん

・充実したセカンドキャリアを求めている看護師さん


地域包括ケア病床

まとめ

地域包括ケア病棟は、患者さんが病状安定後、安心して自宅に帰宅し、かつ自分らしい生活を行うために入院する病棟です。主に急性期治療が終了した患者さん・在宅療養中に病状が悪化した患者さん・在宅で介護をする家族の介護疲れにより十分な介護ができなくなったといった理由で一時的な入院を必要とする患者さんが入院します。
地域包括ケア病棟は比較的勤務条件がよく、あらゆるやりがいも感じられる職場です。急性期病棟からの転職であれば、よりよい待遇で働くこともできるでしょう。
地域包括ケア病棟に興味をもっていただいた看護師さんは、人事経理課まで、ぜひご連絡ください。その他、不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。